サインも悲喜交々物語 その1〜サインかキズか〜

いつも、そして度々、そして一度でも私のブログを読んでくれる方々へ。

ご精読ありがとうございます(^0^;)

こんなしがないブログへわざわざ足を運んで下さって感謝です。

私がブログをやってるのはいろいろ思いがあってのことですがその中でサインネタがよく出てきます。
もちろん私がサインを頂いた自慢もありますがやはりその時の「こちら側の事実」ではありますが経験したことを知って頂きたい=現場で起きたことを紹介したいのでと書いていると何度かお話したと思います。

サインをもらうことに関していづれ私なりの思いを詳しく書かせて頂ければと思いますがそれはさておき…今回も私が経験したことの一つとして書くので心を広く持って頂いてお読みください(出来ない方はここで退出願います)

それはある日本人選手にサインを頂いた時の話しです。
ちなみにその選手とは今回は読んでるみなさんのご想像にお任せすることにして名前を「X選手」とします。

年月は記載しません。

その日、私はいつも通りオークランドコロシアムへ試合を観に行きました。

相手チームに1人の日本人選手がいました。

私は日本に居た頃からこの選手に関して気になっていたことがあり(特に人間性で)一度接触してみたいと思いました。

球場に着くなりその選手を見つけて近くに移動し彼の打撃練習の時の「休憩」を待ちます。

そしてその見計らった瞬間を捉えて彼にサインをお願いしました。

私「Xさん!練習後でいいのでサインをもらえませんか?」

するとそのX選手は言い方はぶっきらぼうなのですが丁寧にも

X選手「(サインを君に)出来るかどうかはわからないけど保証はできないね!」
と私にそう返事をくれました。

私はこの時

(言い方はぶっきらぼうだけどサインをあげるかどうかなんて今の地点ではわからない、もしできればするよ)といった何とも正直な答えをくれた彼に非常に好印象を持ちました。

だってサインをお願いしても何の反応もない日本人選手や私を睨らむことをした選手もいたわけですからこのX選手の「できるならしてあげるよ」という反応は非常に嬉しかったのです。

(何か昔でいう硬派、今で言う男気を感じる言い方でいい選手だな…)

私はその時何の疑いも無く彼への好感を持ちました。

さて練習が進むにつれて彼は私からは遠い位置へ移動します。

(ありゃま、これはサインをもらえない展開だな…)

しかしせっかく接触したのですから簡単にあきらめるわけにはいきません。

そこで私は何とかしてダグアウト近くで練習後選手が帰ってくる位置に近づきます。

練習が終わると選手が一斉にダグアウトへ引き返してくるのですが周りのアメリカ人がいろんな選手を呼びとめる中私はそのX選手に声を掛けます。

するとそのX選手は気付いてくれて
(さっきのヤツだな…くそっ!面倒くせえな!)

といった表情で私にボールとペンをよこせといったゼスチャーをします。

私は、

(あっ!くれるんだ!?)

と喜んでボールとペンを投げます。

そのX選手はダグアウトの中へ入りサインをしてくれてます。

仏頂面だけどいい選手じゃん^^)

私はとてもわくわくしてました。

どんなサインなのかなあ、きちんとお礼を言わなきゃなあ…)

そう思ってた時でした。

いきなり私の顔の前にボールが「ビュッー」っと投げ返され

何だ!!!???)

っと思った次の瞬間「ビューっ!」

とさらに速くブーメランのような音を立てて私の胸へボールペンが突き刺さるような感じで当たりました。

「イテッ!!!」

と私が顔を歪めるとその瞬間X選手は私の顔を見もせず頭を低くしながら走って通路を通り抜けて行ってしまいました。

何今の???)

正直ちょっと、いや大分がっかりしました。

選手の方にサインをお願いする時にはこちらも礼を失しないようにしてますしサインを頂ければもちろん感謝もしてます。
お礼を言っても忙しくてその返事が無くても仕方のないことだと理解もしてます。

しかしこのX選手のとった行動はファンに失礼だと思います。
もし顔にボールが当たったらどうするんだろうか?
もしペンが目に刺さったら?
私ではなく隣や後ろに居る女性や子供に当たったらどうするんだ?

せめて私を見て何も言わないとしても投げるぞとったゼスチャーをするなりして相手に知らせてから投げるべきだったと思います。

しかし私は、

それでもサインをしてくれたしきっと虫の居所とか悪かったんだろうな…それか何か照れくさいとかとにかく彼には彼の事情があっての態度だったんだろう)

あれが彼の性格なんだと思って自分を納得させました。

試合終了後、その当時の私の住まいである社員寮みたいな所に帰ると研修生のK君に出くわしサインボールを見せます。

するとそのK君が

「何ですか?このキズは??」

と真顔で私に聞いてきたのです。

私は正直この時

この野郎!何てこと言うんだ!せっかくX選手がサインしてくれたのに!ーー;)

と怒鳴るとろでした。

ところがよーくボールに書かれたサインを見ると…

キズと言われてもしょうがない書き方

だよな…知らない人間はこれを見たらキズだと思うだろうな…)

私も本音を言えばもう少し丁寧に書いてくれてもよかったんじゃない??と思いました。

しかしこれはX選手の性格なんだろうし私のお願いに反応してくれただけでいいじゃないかと思ってました。

私はこのX選手のエピソードも知っていたので彼のことは理解してるつもりでした。

ところが翌日でした…