サインも悲喜交々物語 その2〜やっぱり男は若い女性に弱い???〜
そんな経緯もありせっかくX選手にサインを頂いたものの虚しい気持ちだったわたくし。
昔小学校高学年か中学生ぐらいだったか、あるプロ野球の試合を観に行って選手にサインを求めたら
「君にあげたら全員にあげなきゃいけないから」
とか
「うるっせい!」
となぜか怒鳴られてサインをもらえなかった時の何とも言えない悲しい体験を思い出しました。
さてその翌日も試合を観に行ったのですがその日私は職場にボランティアとして日本から来た2人の女子大生さんを連れて行きました。
ちょうど彼女達が休みの日でどこか観光に行きたい、しかしサンフランシスコには行って来たので他に連れて行ってほしいということになりメジャーリーグを観たことが無いから私と一緒に観に行くことになったのです。
移動の間私は簡単にA'sのことや対戦相手について、そして日本人であるX選手のことも話しました。
球場に着くと選手をなるべく近くで見せてあげたいと思い彼女達が見やすいところに案内します。
X選手はいましたが昨日と同様我々から遠かったので「あそこに見える選手がそうなんだけど遠いね」などと話していました。
そして昨日私が経験したことも話しました。
すると女の子達が反応します。
「(サインをもらう)それ私達もやってみたいんですけどできますか?」
私「へっ!?」
他のファンがサインを貰っているのを見てそれから私の話を聞いてるうちに自分達もやってみたくなったと言うのです。
私「う〜ん、いいけど多分あしらわれるぞ^^;)」
と言いましたが彼女達は
「やってみたいです!サインもらったらあげますから!もらえる体験をしてみたいんです!」
私は期待はしなかったのですが断られたとしてもそれも経験の内というか素人の子がプロの野球選手に私と同じことをされてどう感じるのかを知りたくなりそれぞれにX選手のベースボールカードと小さなボード(カードを挟むもの)とペンを渡しました。
そして昨日私が居た位置のすぐ後ろに移動し練習が終わるのを待ちました。
練習が終わると選手達が一斉に引き上げてきました。
私はX選手を目で追って彼女達に教えます。
「あの選手だからね。目の前に来たら名前を叫ぶんだよ」
私は彼女達をダグアウト上の1列目に移動させ私はすぐ後ろの2列目で座っていました。
というのも前日に面が知れてるので見られたくなかったのです。
X選手が近づいてきて私は彼女達に指示します、
「そろそろだ、大きな声で名前を呼ぶんだよ!」
するとその女の子達は大きな声ではしゃぐように名前を叫びます。
「Xさあ〜ん!!」
大はしゃぎ、若さいっぱいといった感じです。
しかし…
X選手は彼女達の声を無視して彼女達を見ることも無く通路へ入っていきます。
やっぱりな、だから言わんこっちゃない…)
彼女達も
「え〜っ!!待ってえ!!」
と叫んでます。
私は彼がそもそもぶっきらぼうで硬派な感じの選手だと知っていて女の子には見向きもしないだろうと思ってたので特別驚きもしませんでした。
まっ、こんなもんだ。俺の言ってたことがわかったろ?)
そう彼女達を慰めてその場を離れようと私が立ち上がろうとした時でした。
何とX選手の前に居たある選手2人がX選手を捕まえて1人は体を押さえ1人は脇腹をくすぐる感じでX選手に
「お前のファンがいるのにサインぐらいしてやれよ!」
とじゃれはじめたのです。
するとX選手も笑顔になり彼女達のところに戻ってきます。
うっそ!これサインをするのか!?)
すると女の子たちは大興奮で再びはしゃぎ出し私があげたカードとペンをX選手に渡します。
え〜ホントかよ!??)
このまさかの展開に拍子抜け、しかももっと「拍子」どころか「腰」が抜けそうな場面を見ます。
何とX選手はその女の子達と会話を始めたのです。
「どっから来たの〜?」「旅行してるの〜?」「サイン集めてるの〜?」
女の子達はそんな会話をされるとは思って無かったので必死にウソの回答(というか明らかにニワカファンだということを悟られぬ様話をずらそうと)しています。
おいおい!マジかよ!何だよ昨日の俺への態度とは!明らかに違うじゃねえか!!−−;)
仮に昨日機嫌が悪かったにせよこの違い。
明らかにX選手は女の子達にデレデレでした。
かあ信じらんねえ!何だこの光景は!−0−;)
結局女の子達は2つのサインをゲット、しかも私がもらった「キズ」ではなくきちんとした字体のサインです。
喜ぶ女の子達。
一方私は思わぬ「裏切り」にしばらく茫然とします。
「やったあ!もらいましたよお!(^0^)」
任務終了とばかりにカードを返してきた2人。
私はそのカードを眺めながら昨日からのX選手とのやり取りを思い出し
何だよ…硬派だと思ってたけどやはり彼も単なる男なんだな…。ファンが大事だったら俺にも同じように接してるはずだしな…)
別に会話はしてくれなくてもいいけどあんな乱暴にボールにサインしたりそのボールやペンを投げつけられるようにふてくされた態度をとることはないだろうと若干怒りのような感情を持ちました。
彼女達は野球のことは全然知らないですしその選手のことも知りません。
一方私はご存じのとおりで彼を応援する気も人並み以上にありました。
しかし結果はご覧の通りです…ーー;)
その後彼女達はそのカードのサインを写真で撮り帰宅後今度は私がもらったキズのようなサインを写真に撮っていました。
この差が彼女達もおかしかったようで記念に画像に残してとっておきたいのだと言う。
あれから何年も経ちますがここで書いたことと同じ話が彼女達によって思い出話しとしてされてるかもしれません。
が
彼女達が受けたと喜びと私の受けた虚しさ、その「差」はナマで体験しないとわからないという現実をモロにぶつけられた…そんな出来事でした…終わり。