3日目 生放送終了…その後

さて本番までの時間はあっという間に過ぎます。
オークランドの球場の特徴をどうやってそして短くうまく言えばよいか。
ただでさえふさぎ込むように考える性格なのに早朝ということもあり頭の回転が鈍いです。
コーディネーターのMさんは、
「考えすぎないで楽しんで楽しんで♪」
と言いながらコーヒーやパンをほおばってます。
「いや〜そうは言っても無理でしょう…ったく、他人事だと思って!」

5時50分。
東京のスタジオから準備するよう連絡が入ります。

パソコンの目の前に座ると日本で見てたBSのニュースが流れてます。
これが終わるといよいよ本番です。

ニュースの最後に流れる天気予報が始まります。

緊張してるのもあったのでしょうが果たして自分がどのように映ってうまくしゃべれるのでしょうか…不安です。

日本時間午後10時の時報とともに番組が始まりました。

番組は冒頭に新司会者の紹介と意気込みからスタート、その後10分ぐらい海外から日本の被災地へのサポート活動をフランスとイギリスから中継が入ります。

番組の企画自体は震災前だったので震災の影響で急遽その企画が割り込んできて我々がフルに出るところがカットされたようです。

いよいよ本番が始まった…そして海外ボランティア活動の紹介が終わり我々の出番です。

さあ自分がどう映るんだか…

司会者「それではアゴラーの登場です!」

ジャン!

画面に3人の画面が登場、しかも私が真ん中(しかもなぜか2つの画面に映ってる)

私「おっ!俺じゃん」

普段鏡もロクに見ないし強面の自分の顔をこういった形で見ることになり思わず
「へえ〜この小さいカメラで映ってるんだあ…」

と思わず目の前にあるノート型のパソコンに付いている小さなカメラをきょとんと見ながらどういう表情をすればいいんだい?と自問します。

その間にも番組は進み

司会者「それでは最初に松井選手が移籍したオークランドから○ ○○さんです。○ ○○さ〜ん」

思わず

私(おい!それ俺じゃねえか!最初にふってくるとは聞いてないぞ!)

といきなりパニクリしかも音声の時間差もあって口ごもりながら妙なタイミングでの挨拶。

こんな感じで生放送の時間制限に気を使いながら問われたことに答えていきます。
どうしてファンが球場に来ないのか?球場の概要について、A'sのファンはどんな雰囲気なのか…などなど。
どうしてもA'sは観客動員数が少なかったりスター選手がいないので地味な存在ですがオールドメジャーリーグファンにとっては偉大(言いすぎか?)なチームです。
ただ今回はどうもそういった観点からA'sはいじられ役に回らざる得ない感じで番組の内容に合わせて私も演じました。

番組が進行して自分が出ていない間は他の人の話を聞いています。

各球団の特徴とかエピソードとか私も初めて聞くことばかりで出演してることも忘れるぐらい単なるいち視聴者になってました。

後で録画したのをチェックしたのですが人の話に妙にうなずいたり担当者からの指示や隣にいたMさんのアドバイスに横を向いたり実に落ち着かない様子。

まさかそれが全部スタジオにある画面に出ていたなんて何と恥ずかしい…。
私は中央、つまり司会者の後ろにあるスタジオ画面だったので司会者が映るたびにテレのビ画面に映っていたのです。

そしてクライマックスというか松井選手移籍に伴ってロサンゼルスからやってきた「MATSUI LAND」発起人のビドロさんが紹介され私の後ろから登場、私の横に座ります。

スタジオからの質問は「どうして松井選手が移籍したのにMATSUI LANDを続けるのか、松井選手が移籍してもエンジェルスファンなのか」と言った感じでした。。

ビロドーさんも丁寧に答えてましたがほどなく番組終了のテロップが流れます。

(これだけ準備したのに彼の出演はこれだけ?)

しかし終わりの締めはきちんとしないといけません。
二人で笑顔でカメラに手を振ります。

そして無事終了。

まあ大きなトラブルもなくあっという間に終わりました。

50分ぐらいパソコンの前に座ってましたからよく考えたらずっと座っていた分体もこりかたまっていたしトイレの心配とかもしなきゃいけなかったのでしょうが全く気づきませんでした。

時間はもう朝7時。

この日はジャパニーズヘリテイジデー&松井シャツ&日本への義援金活動でいろんな催しものが重なり早くに球場に行かなくてはいけない日でした。

コーディネーターのMさんは急いで後片付けに入ります。
今日は球場でマリナーズの監督の取材をしなきゃいけないからその前に我々のホテルの支払いやらビドローさんを送り出す手はずを進めその後は少し睡眠を取るとのこと。

ビロドーさん残念ながら今日の試合は観ていけずロサンゼルスに帰ります。

次会うのは来月のどこかの週末に来るようで再会を楽しみにそしてお別れの挨拶を兼ねてホテルの入り口まで見送りに行きます。

すると先に入り口まで下りていたビロドーさんが誰かと話しています。

一体誰と…