積極的にいったら…

今回のホワイトソックス戦、実は個人的にある目標がありました。

それは監督のオジー・ギーエンのサインを私が持っている雑誌にサインをしてもらうことです。

私の持っている雑誌とは1990年、メジャーリーグ選抜チームが日本に遠征をしてきて7試合行った時のプログラムです。

私が高校2年生だったと思います。
書道では著名な先生の授業を欠席して野球部の仲間達と一緒にマリンスタジアムへ観にいきました。
(後日サボったことがばれてこっぴどく怒られたことは言うまでもありません)

この時の試合が私が初めてメジャーリーグをナマで観戦したことになりますが正直うる覚え程度です。

その時はケン・グリフィーJr、バリー・ボンズ、ランディー・ジョンソン、デーブ・スチュワート、アロマー兄弟などそうそうたるメンバーでした。

その中にオジー・ギーエンアメリカチームのメンバーとして来日していました。

当時はゴールドグラブ賞を獲得してメンバーに選ばれたような記憶があります。

その後ギーエンは主に守備の人としてメジャーリーグで活躍しました。

04年にホワイトソックス監督に就任、翌05年にはチームを88年ぶりの優勝に導きました。

これは長らくワールドシリーズを制することのできない3大呪いのうちの一つだったのですが前年のレッドソックスが優勝したことによる「バンビーノの呪い」に続く「ブラックソックスの呪い」から解き放たれた瞬間でした。
ちなみにもう一つはシカゴ・カブスの「ビリー・ゴートの呪い」

さてこのギーエン、かなり陽気な性格のですがそれゆえというか言動も自由奔放で差別発言などですぐに物議をかもし出す事で有名です。

日本で有名になったのは去年だったか「日本人選手は甘えている」といったような発言をしたことでしょうか。
メジャーリーガーにはたくさんの南米系の選手がいますが彼らには通訳なるものがいないのに日本人にはついている。
同じ外国人なのに待遇が違い過ぎるという趣旨のようでした。

このギーエンからどうやったらサインをもらえるか。

昨日の出来事ですがあるサイン仲間(私の父と同じ年ぐらい)の横にいた時です。
バッティング練習中にも関わらずジャケットを脱いで我々の近くまでギーエンがジャケットを置きにきました。
しかしどこか声を掛けるのは気まずい感じ。

実はホワイトソックスはオフの補強でいい選手を獲ってきたのに現在まさかの中地区最下位なのです。

そんなこともあり声を掛けるタイミングを自分なりに見計らってたつもりなのですがここではなくて練習が終わってからにしたほうがいいだろうと思い声をかけませんでした。

ギーエンがまたグランドに戻っていくと隣にいたサイン仲間と話します。

「彼のサインが今日の1番の目標だ」

と私が言うと

「何で声を掛けないんだ?」

と彼が言うので

「あそこで声を掛けると機嫌がさらに悪くなりそうだから…」

と言うと突然彼は小さくて穏やかだった目を見開いて

「どうしてそんなことを考えるんだ!声を掛けないとサインはもらえないんだぞ!とにかく声を掛けろ!声を!」

と凄い剣幕で怒ります。

俺を見ろ!
いつも選手に声を掛けるからもらえるんだ!
余計なことは考えずにお前ももっと声を出せ!
アピールをしろ!

と言うのです。

そりゃああんたはもうかなりの年配で選手にも一目置かれ英語ですらすら言えるからいいけどこっちはそういうわけにはいかんし、それにあのオージーだぞ(ギーエンの愛称)。
ちょっと機嫌を損ねれば怒鳴られかねない。
そんなトラブルは嫌だし…。

けど彼はいつまでもぶつぶつ何かを私に言ってます。

私は開き直って

「わかった、明日もう一度トライしよう、もっと積極的にいくよ!」

と言うとそうだ!そうでなきゃ!、と言った感じでお互い和解!?

そして今日、またも同じ位置で彼の横に並びました。

私は積極的に…と言ってもやはり限度がありますがとにかく目立つようにアピールを何度もします。

ジーもへたくそな英語で自分の名前を叫ぶ人間がいるのがわかりというか段々耳障りになってたような感じですが気になったようでちらちらこちらを見て何かを言っています。

おそらく待ってろとかサインはできないとかそんな感じ。

それでもオジーがこちらのほうを見る度に雑誌を掲げて見せたりサインをくれといった感じのゼスチャーでアピールを続けます。

練習が終わりに近づくとオジーがベンチに下がってきます。

そして私は最後のアピール。

身を少し乗り出して必死に「オジー、オジー!」

するとオジーが私に指を指して

「サインやるからよこせ!うるさいやつめ!」

といった感じで私の雑誌にサインをしてくれました!

それを見た周りの人間もびっくりしてすぐにオジーにサインを求めます。

ジーはいい迷惑だと言わんばかりの顔で文句を言いながら数人にサインをしもうやらねえ!って感じでベンチ裏に引き上げていきました。

隣にいたファンは

「随分怒ったな(苦笑)→お前やりすぎ といった感じで私に言います。

逆にいた昨日私にもっとアピールしろと言った友人は

「良かったな!だけどアピールをしてもそれを許してくれる人と嫌う人がいるからな、オジーはそれが嫌いなタイプなんだ(笑)」

だから言うのは嫌だったのに!

人をダシに使いやがって…(−−;)

まあサインが貰えたからいいけど。

アメリカ人の常識と日本人の常識、その間に今でも振り回されてる。

改めてそれを実感した出来事でした。

試合はA'sが効率よく先制、追加点、ダメ押しをして投げてはタイソン・ロスが好投して6−2で勝ちました。

松井選手は相手が右投手にも関わらず欠場。

チームが勝ったからいいけどやはり彼が活躍してA'sが勝つ試合を観たいです。

GO!松井!!