A-RA-SHI
フィラデルフィアの2日目。
今日はシカゴ・カブスの福留選手を観にいきます。
試合前にちょっと観光へ。
シルベスタ・スタローン主演、「ロッキー」で有名なあのシーン。
階段を上り詰めたところで大きくガッツポーズをする場面。
とりあえずやってきました(苦笑)
さて今日の試合の興味としては福留選手の活躍もさることながらこの両チームの対照的な歴史的ないきさつ。
両者長年勝てなかった伝統チーム同士。
しかしそのファン気質としては毎年カブスは「今年こそ優勝!」というのに対してフィリーズは「どうせ今年もだめだろう…」といった感じでした。
ところが2000年代、他にも似たような伝統がありながらそれぞれの「呪い」にかけられたレッドソックス、ホワイトソックスが優勝しついには「今年もだめだろう…」のフィリーズまでがチャンピオンに輝きます。
残るは100年以上ワールドシリーズ・チャンピオンから遠ざかっているカヴスですが大金をはたいて選手を獲ってくるもののことごとく失敗し今だに低迷を続けています。
フィリーズのファンですが昨日のドジャース戦が始まるとほとんどのファンが席に着き声援を送ってました。
これは正直びっくりしました。
他の球場では見られないフィリーズファンの情熱を感じました。
が…この日はそうでもなかった(苦笑)
というのも後で判るのですがこの日は元々観客の数が少なかったのかも。
この日の席はライトポール近くの3階スタンド席。
グランドの近くで観るのもいいですが遠くから球場全体を眺めるのもいいものです。
さて3回表の出来事です。
昨日も今日も暑いフィラデルフィア。
私は汗が止まらず着ていたシャツも持参したタオルもびちょびちょだったのに
だんだん涼しくなり何か気候の変化を感じます。
すると明らかに雲が出てきたのがわかります。
そのうち風も出てきます。
そしてだんだん強くなりますがこれぐらいがちょうどいい涼しさだなんて思っていると今度は小さい竜巻のようなものが発生し観客が捨てたハンバーガーの包装紙や紙コップなどのごみが空中に巻き上げられていきます。
まさに映画で観る嵐が来る前の1シーン。
そして3回裏です。
1アウト、3ボールの時守っていたカブスの選手がベンチに引き上げグランドにシートがかけられ試合が中断します。
「おいおい、雨も降っていないのに中断かよ。せめて試合を進行して雨が降ってきたらにしろよ…」
そして電光掲示板には雨で中断のサインが、アニメのキャラクターがスロットの画面で流れるような感じで映し出されます。
「このぐらい大丈夫じゃねえか?涼しくてちょうどいいじゃん」
私はとっとと試合を進めてほしいと思っていました。
ところがその5分後です。
小雨が降り始めたと思ったら段々強くなってきます。
「さすがにこりゃだめか…天気予報の読みはずばりだな」
と雨対策の球団担当者を褒めながらどこに避難しようかみんなの後を付いていきながら考えていた時でした。
突然雨・風両方が強くなり球場内が大パニックになります。
みんな悲鳴をあげて我先にとスタンド裏へ逃げますがこの日の観客数は約3万人。
みんなが雨避けする場所などあるわけがありません。
せっかく見つけた階段下の雨避け場もありとあらゆる隙間から雨が降り込んできてみなずぶ濡れ状態!
完全に嵐に巻き込まれなす術なし。
「何じゃこりゃあ!!」
こんな体験初めてです。
こんなのテレビで見た…そうだ!どこかの暴風体験室の映像!あれだ!
私は身をかがめながら大柄のアメリカ人の近くを転々と移動し雨を避けます。
何日か前アメリカで竜巻による犠牲者がかなり出たニュースを知っていたのでこれはひょっとして自分達も危ないと本気で思い始めました。
死にそうな体験…
14年前大学の卒業旅行で訪れたグレートバリアリーフで溺れそうになったあの時以来です。
激しい嵐は15分ほどで収まりました。
その後雷が鳴り始めるも雨風は小康状態。
それを見計らって帰る人も出てきました。
何せ平日のナイターですでに9時半でしたから。
私も帰ろうか悩みましたがこういうときは何かが起こります。
せめて5回終了時まではいようと思いました。
しかし試合再開で10時半まで観戦しましたが何も起こらず。
これ以上遅くなるとホテルまでの道中危ないところもあり球場を出ます。
ホテルに戻るとぐったりしましたがその時MATSUILANDの友人からメールが入ります。
「マツイがホームランを打った!そしてノー・モア・ゲーレン!ゲーレンが解雇されたよ!」
そりゃナイスなニュースだ(笑)
この嵐はその予告だったのか!
何とも不思議なフィラデルフィアの夜でした。