まずは前哨戦を制す 〜単なる席取り合戦…ではない〜

ヤンキースとの初戦です。

ヤンキースアメリカスポーツ史上において特別なチームだと言うことは昨日書きましたしみなさんそれぞれの知識の中でどれだけ特別なんだというのはおわかりだと思います。

さて試合も大事ですが我々にとってもっと大事なことがあります。

それはBleachers席の席取りです。

いつもは観客がガラガラなので問題なく1列目2列目の席をいくつも確保することができますがヤンキース戦やジャイアンツ戦はそうはいきません。

一応原則一人一席です。

しかしそんな綺麗事を言ってるとここぞとばかりにやってきたヤンキースファンに占領されてしまいます。

我々が毎試合陣取っているエリアも残念ながらヤンキースファンの数には敵わない時があります。

とにかくヤンキースファンは我が物顔で大挙して押し寄せてきます。

まさに

「地球上におけるアメリカ合衆国そのもの」

(お前ら物凄く威張ってるけどお前らが強いんじゃねえんだよ。ヤンキースが強いんだぞ!ーー;)

何だかヤンキースファンの顔やにやけた表情を見てると

「あんたらA'sなの?うちらヤンキースファン!格も品格も全然違うんだぜ!!俺たちは強いんだよ!何してもいいの!!」

と言った感じなのです。

まあ私の被害妄想が若干加わっているとしてもそう思ってる人は少なくないでしょう。

なので彼らは席もどこを取ろうが構わないだろといった感じでずかずかと我々の聖域を占領しかねません。

もちろん席は早い者勝ちですからどこを取っても我々も文句は言えません。

しかし今までの因縁もあります。

例えば去年もトラブルがあり一人大柄の黒人ヤンキースファンがやたら声を出して我々を挑発し何度か衝突寸前までいった挙句ヤンキースが大量得点で試合が決まった9回あたりに騒ぎを起こし最後は暴言を吐きセキュリティーに退場させられました。
その時アジア系のA'sファンと口論していたのですがそのファンが罵られた後顔が真っ赤になるほど激怒してその黒人に掴みかかろうとしまわりの人間に止められそれを通報されて退場という形でした。

察するに人種差別的な発言だったのでしょう。

その時はヤンキース大勝でもう試合も終わりの方。

ここで退場させられても痛くもかゆくもないと言った表情で笑いながらセキュリティー2人に挟まれて連れ出されていかれた…

そんな出来事もあり今年も荒れる可能性ありと考えたわたし。

サインやボールよりも席の確保が大事とみて試合開始1時間半前に球場に着きます。

しかし何とすでに入場口の前にヤンキースファンが2人いるのです。

一応彼らは2番目なのですが大きなヤンキースの旗と「OUR EMPIRE」と書かれたボードを持参していて明らかにライトBleacherの最前列に掲げてやるといった雰囲気です。

(やはり来たか…どうするか?)

いつもそこからBleacherに入るのですがセキュリティーチェックはほぼ1列もしくは2列で行うので彼らが確実に早く入っていきます。

そこへドラム男のアンディーが来ます。

私がどうする?すでにやつらが来ておそらく先に席を取られるぞという話をするとこっちについて来いという。

どうやらいつもは使用しない入り口があってそこはヤンキース戦の時は開放されるという。

私と同じ危機感を感じて早めに来たアンディーはさすがでした。

もちろんその入り口には誰もおらず我々が先頭、しかもBleacher席までは先ほどの入り口よりもはるかに近い。

これでやつらよりも早くBleacherまで入れる。

あとは人の数も必要。

私は事前にK君、Sさんという日本人組みに早く来るように連絡を取り彼らも合流。

そして団員2人も来て6人体制とします。

さらに万全を期すため一番若くて機動力の有るK君と団員のウィルを先頭に行かせ旗数本と横断幕など広げれば大きくなるものだけを持たせセキュリティーチェックをほぼ受けずに通過できるほど身軽にさせ彼らの荷物は我々が持っていくという手に出ます。

(何が何でもヤンキースファンに前の列を取らせるわけにはいけない!!)

開門の合図と共に先頭の二人はなだれ込み走っていきます。

そして我々はヤンキース戦ということで若干荷物を入念にチェックされながら入場。

そしてBleacher席へ…

(どうだったか…)

入ってみると前2列全体をすでに確保していました。

(よしよし^^)

後から来たヤンキースファン2人組みは仕方なく端のセクションへ。

(まあいいじゃねえか。何も嫌がらせのように俺たちの席へ割り込んでくる必要は無えだろう?お互い少し距離を置いて心置きなく応援しようぜーー;)

とにかく何事も相手を挑発するのが好きな連中ですからこちらも挑発させない手段を取るのも有る意味大切です。

しかしまずは我々の「聖域を守る」という作戦は成功しました。