Dear Colby Lewis 〜ルイスに感謝そして早期の復活を祈って〜

イチロー選手のトレードの話題で日本中が持ち切りの中、私にはそれ以上に衝撃的なニュースが飛び込んできました。

レンジャーズのコルビー・ルイスが右肘のトミージョン手術(腱移植、腱修復?)を受けることになり今季絶望となりました。

(ええっ!!!!)

どうして …)

先週オークランドで会った時は元気そうだったし翌日の試合では5回80球程度でしたが好投しました。

しかし実はこの時肘に違和感があり志願しての降板だったそうです。

私は何の心配もせず復帰第1戦だから上々だなと思っていたのですがまさかこんなことになるなんて…

2007年の日本プロ野球シーズン終了後カープの投打の主力が相次いでFAでチームを去りました。
投の主力はもちろん黒田投手(打は名前も出したくない〇ソ野郎)
ただでさえチーム力が弱くて低迷しているのに…カープファンには追い討ちをかけるような「悲劇」でした。

(これでカープの暗黒時代はさらに長引くな…)

カープの黄金期を知っているカープファンとしては91年のリーグ優勝以来勝てない、そしてFA制度が出来てから応援してきた主力選手が次々とカープを去っていく姿を見て苛立たさとあきらめと怒りといろんな感情が混ざった中…

そんな中海を渡って入団してきたのがコルビー・ルイスでした。

私が渡米してきたのは2008年1月。
ちょうどルイスと入れ替わり…
ですからルイスのカープでの活躍はインターネットを通じて、太平洋を越えてでしか知りませんでした。

(黒田の抜けた穴をこのルイスってのが埋めてくれてる!)

2年連続2桁勝利、防御率2点台、奪三振王、オールスター出場など…
弱小カープで挙げたこの成績。
いつしかカープファンの間ではルイスのことを「広島カープ史上最強の助っ人」、「神様、仏様、ルイス様」と呼ばれるようになっていました。

そんなルイスが2年契約を終えてルーキー時代にプレーしたレンジャーズに復帰するという。
カープと契約延長の話もしましたが奥さんの病気の関係もありアメリカに戻ることを決断したのです。

この時カープと再契約してもらえなかったという残念な気持ちもありましたがルイスをオークランドで見れるといううれしい気持ちもありました。

この頃ア・リーグ西地区はエンジェルス1強に近い状態でしたからオークランドでの西地区内での試合は今よりもスタンドがガラガラでした。

そんな2010年のシーズンが始まり最初のオークランドでの対レンジャーズ戦に私はカープのユニフォームを着てルイスを観に行きました。

ブルペンの近くにいるとピッチングコーチのマダックスがそれに気づいて私に声を掛けてきたのを覚えています。

マ「コンニチワ!」

(ワオ!いきなり日本語で挨拶かよ!)

私「ルイスに会いに来たんだけど…彼に会えるかな?サインはもらえるかな?」

するとマダックスコーチ

マ「ウン、大丈夫だ!」

そしてその後ルイスが出てきてマダックスとルイスが話し終わったあと私を指差し「あそこにお前のファンがいるぞ」
と教えてくれてルイスがのそのそと私の方へ歩いてきます。

(お〜これがコルビー・ルイスか!でけえなあ!!^^)

この頃私は今よりも英語が酷くまた選手と話をしたこともなかったので緊張しっぱなしでした。
この時は簡単な挨拶とルイスが気にしていたのはカープのこと。

ル「カープの今はどんな感じだ?」
私「あまり良くないよ…特にピッチャーが!」
ル「What?オオタケはどうなんだ?マエダは?」

と具体的に名前まで出てきたので大竹は肩を故障したまま出てこないとか前健は若いながら頑張っているとか説明しました。
あとは新しく監督に就任したノムラはどうなんだ?とか…

(やっぱりカープが気になるんだろうな…)

元々金銭や待遇で揉めて退団したようでは無さそうなので言葉のストレスはあったようですが日本や広島へは愛着があるようでした。

その時はレンジャーズも弱くファンも来てない、さらにルイスのことなど誰も知りませんから誰にも邪魔されずルイスと私は時間ぎりぎりまで話しをすることが出来ました。

これがきっかけで私はすっかりルイスの虜に。

それ以来レンジャーズがオークランドに遠征に来る度に言葉を交わしサインをもらい写真を一緒に撮り懐かしい友人と会うような感じで楽しい時間を過ごさせて頂きました。

もちろん毎試合というわけではありません。
ルイスが登板する日はコミュニケーションはなし。
そして私はライトBleacherの柵にカープの旗をかざして遠くから応援。
3連戦あっても1試合目にファンサービスをしてくれたら2試合目は挨拶だけとか、その逆に1試合目に声を掛けて
「今日は忙しいからだめだ!」
と突っぱねられても次の日はいつも通り接してくれるとか1シリーズで1,2回交流する、そんな決まりごとのようなルールが出来ていました。

そしてルイスの活躍もありレンジャーズはこの年球団史上初のワールドシリーズに進出。
さらに翌2011年と2年連続でワールドシリーズに出場して私はこの2回とも現地まで観に行かせてもらいました。

ルイスはレンジャーズの歴史上初のワールドシリーズの勝利投手で2年連続で勝ち星を挙げているピッチャーにもなりました。

昨日スポーツニュースでルイスの会見が流れていました。
痛みは無いと言うことらしいですがこれでシーズンが終わるのは残念だし今オフはFAになる=怪我のまま再契約がもらえるかわからないから自分のキャリアにとっても重大な出来事だ…と無念の表情を浮かべていました。

そんな彼の顔を見ながら先に紹介したカープでのこと、初めて彼にオークランドで会った時からワールドシリーズでのことそしてつい先週までの出来事が走馬灯のように私の頭の中を駆け巡り涙が出そうになりました。

(俺の右肘でいいなら交換してあげたい…)

私が今までの彼への感謝を伝えるとしたらそれしかない

素直にそう思えました。

トミージョン手術は松坂投手や今売り出し中のナショナルズ・ストラスバーグ投手の受けた手術です。
状態によって違うのかもしれませんが完治してから投げるには約1年半かかりしかもその後の管理もきちんとしなければいけません。
松坂投手は去年その手術を受け先日一度復帰したものの調整のためまた故障者リストに戻りました。
ストラスバーグも2010年に手術を受け1年半かけて復活。
今年は調子がいいものの登板回数の限度間近の状態となっておりこの先チームがプレーオフに出場しても投げさせられないのではという話も出ています。
A'sも期待の左腕ブレット・アンダーソンが同様の手術を受け今だ復帰せず…

それを考えると一番年齢の高いルイスが今この手術を受けるのは大きなリスクです。

先ほど私が涙が出そうと書きましたがルイス本人が一番泣きたいんだと思います。
またレンジャーズも2年連続でワールドチャンピオンを逃しましたから今年こそは!と思ってる最中でのエースの離脱でショックだと思います。

しかしこのような事態になってしまったのなら仕方ありません。

ルイスの手術が無事に終わりますように。

そして長いリハビリ生活とこの先のメジャーリーガーとしての復帰が叶うのかという不安との戦いが彼には待っています。

コルビー・ルイスへ今までの感謝を込めてまたいつの日かメジャーに復帰した日にはカープの旗とカープのユニフォームを着て私は彼を応援しに行こうと思います。

そしてその時彼が少しでも私のことを覚えていてくれて「また来たな!」と笑ってくれる日が来るのを夢見て…またそうなるよう祈っています。

(Dear Colby Lewis! You are always&forever in my heart!)