ボブ・メルビンが2012年ア・リーグのManager of the Yearを獲得
今年A'sの奇跡を築いた監督のボブ・メルビンがアメリカンリーグの最優秀監督賞、Manager of the Yearに選ばれました。
パチパチパチ♪
…
です、ハイ(^^;)。
去年の途中からチームの指揮を受け継いで圧倒的不利な状況からいきなりの躍進です。
これは素直に凄いと思います。
メルビン采配の特徴は簡単に一言で表すと、
究極のポジティブ采配
だと私は思います。
あの長嶋茂雄氏よりもポジティブでしょう。
長嶋さんはちょっとポジティブとは違うかな^−^;)
むしろ今年の日本ハム監督の栗山さんのような感じか。
「とにかく選手を信じる」
これが我々A'sファンには迷惑すぎるほど強い持ち主です。
それは例えばノーアウトランナー一塁で打率の良くない打者や下位のバッターに回ってもバントもエンドランも仕掛けず好きなように打たせて何度もダブルプレーになったことやライアン・クックのように打たれても暴投してもフォアボールを連発して逆転負けを喰らってもクローザーで使い続けたなどそんな場面が何度もありました。
けどある意味これはメジャーでのスタンダードな考え方です。
日本のプロ野球のように調子が悪いから、相性が悪いから、そして先ほどミスをしたからといって懲罰的な意味合いでの交代などはメジャーではありません。
戦略的に最初から右投手にはAという左打者を,左投手にはBという右打者を使うと言うのはありますが…。
また日本のプロ野球とメジャーではベンチ入り選手の数が違うこともあるので簡単に選手交代ができないというのもありますが得てしてメジャーでは選手は交代させられる=監督に信頼されていない、につながり選手のプライドを傷つける、侮辱すると捉えられる時があります。
日本では交代させられた選手が‘シュン’としてしまい実力のない自分がいけないと反省してしまうように見えます。
がメジャーの選手は「監督は俺を信頼していないのか!」から選手と監督の確執→選手全体が監督に不信感を抱くとなります。
例えばクローザー。
メジャーでは大体リードしてる場面で出てきますがたまたま調子が悪く打たれて同点になったとします。
我々が観ていてこのままいけば逆転されるとわかっていても「お前がうちのクローザーなんだ!」といった感じで逆転されるまでは代えません。
逆転されて本来の仕事が出来なかったことをチームの負けと共に責任を取らせるのがメジャーです。
これに対して日本では同じ場面では交代させる時がたまにあります。
チームの勝利優先だからです。
しかしこれはメジャーではタブーに近いです。
かなり昔の話ですが広島カープが初めて日本シリーズで優勝した時(ひょっとしてあの有名な江夏の21球の時か?)広島が後一歩で優勝というところで大ピンチを迎えた時。
マウンドには抑えの江夏が苦戦していました。
その場面で当時のカープの古葉監督はブルペンで違う投手を準備させました。
それをマウンドから見た江夏は逆上しそうになったのですがそれを悟った3塁ベースマンの衣笠がマウンドへ行き、
「俺もお前と同じ気持ちだ!だけどここはお前に託すから頑張れ!」
そんな感じの激励をしたそうです。
最後はお前に託すと行動で示してくれない古場監督。
いや、ひょっとして江夏の奮起を促す意味で他の投手を準備させたのか?)
とにかく江夏投手ほどの抑えのエースでも日本では逆転される前に代えてしまうという発想があるのは確かでしょう。
メジャーでは「お前と心中」、しかしプロ野球では「お前と心中よりも勝利が大事」といった感じでしょうか。
もちろん古葉監督の考え方も正しいです。
チームスポーツであるからには個人のプライドよりチームの勝利ですから。
これは難しい問題ですな…。
もう一つこんな話が。
今シーズンカープの抑えだったサファテが何試合かセーブに失敗しある時何も告げられること無くクローザーの座をミコライオに代えられて激怒する事件がありました。
失敗が続いてるのだから当然だろうと言う感じですが日本ではわざわざ選手に話しません(というかこれは明らかに監督の野村がいけない)
しかしアメリカではきちんと選手に話をして納得させた上で代えます。
こういうのも日本とアメリカでは大きく違いますなあ…。
さて話が大きく脱線しました。
何話してたんだっけ…?^^;)
あっ、メルビンのポジティブね。
とにかく選手を信頼しまくってその選手達、特に若い連中が応えてくれました。
さらに選手への信頼=選手の成長につながります。
今年メルビンが打者ではドナルドソン、カーター、ノリス、投手では若手全員を辛抱強く起用したことによって選手達が自信を掴んだんだと思います。
去年松井選手はその期待に応えられなかった…><)
去年A'sが勝てなかったのは全部松井選手のせいではありませんが去年と今年のA'sの決定的違うところは「メルビンの過剰過ぎるほどのポジティブ期待に応えられたか応えられなかったか」、そこだったと思います。
さてA's快進撃の要因は他にもあります。
それは今年から打撃コーチに就任したチリ・デービスの存在です。
今年A'sはシーズンの三振記録を更新したのかな?
とにかく三振が多かった。
これは想像するにメルビンとデービスが得点アップのため三振を恐れず長打を狙うよう指示を出したのではいかと思います。
そして狙い球を思いっきり振る。
上原投手のブログにも今年のA's打線は狙い球を絞ってる感じがあると書かれてました。
当然得点を取りに行くのならノーアウト1塁でバントなんかしてられません。
1アウトを相手にあげるより2塁打やホームランで一気に点を取りに行くぞ。
今年のA's打線の得点が多かった要因だと思います。
メルビンのポジティブ采配と打撃コーチのデービスの狙い、若い力…それら全てがうまくいった…そんな2012年のA'sでした。
来年は反動が怖いな(^^;)
けどとにかく今年のメルビンの結果はお見事でした。
そしてビリー・ビーンも最優秀GM賞?をもらいました。
お二人さん!来年はワールドチャンピオン!頼みますよ!