私の中の「ジャイアンツ黄金期」の影の立役者

いきなりですがちょっとしたメジャーリーグフリーク、そしてメジャーリーグを見始めた初心者の方でも今年ワールドシリーズを制したのは「オークランドの対岸」にあるサンフランシスコ・ジャイアンツだということはわかっているかと思います。
そして2010年にサンフランシスコ移転後初のワールドシリーズを制覇して今回は2度目の制覇だということも知っているでしょう。

さて「近年シーズン前の下馬評がそう高くないジャイアンツがどうしてこんなにも強くなったのか?」
メジャーフリークだろうがメジャー初心者であろうが謎?であることは間違いなくかくいう私も何かといろいろ推測しながら思いめぐらしている一人です。

例えば2010年に関して言えば若手選手達の台頭。
投手陣は2年連続サイヤング賞を獲ったリンスカムを筆頭にケイン、バンガーナー、ジョナサン・サンチェスそして抑えのロモ、ウィルソン。
打者はサンドバル、ポージーを中心にベテランのレンテリア、中堅のトーレス、シーホルツに補強組のフレディー・サンチェス(前年に加入だったか?)、ハフ、ロスが活躍しました。

そして今年2012年は若くして2010年の優勝時の中心メンバーがさらに経験を積みリンスカム、ケイン、バンガーナーが再び核となり日本からメジャーに復帰したボーグルソンや復活のジトの活躍が目立ちました。
野手では大怪我から復帰したポージー、サンドバルを中心に生え抜きのベルト、クロフォードが出てきて、補強組のスクータロ、ペンス、パガン、ブランコといった選手達が活躍しました。

そしてそれらの選手を集めたGMや監督のボーチーの采配など…

これらがこの3年間で2度もワールドチャンピオンに輝いた要因であることは間違いありません。

しかし…

私は個人的にある一人の選手の存在も大きかったと思っています。

その選手は…

イーライ・ホワイトサイド
ポジションはキャッチャーです。

私の記憶ではオリオールズから移籍してきたことですが調べると2005年にオリオールズでメジャーデビュー。
その後ジャイアンツに移籍して再びメジャーでプレーしたのは2009年からのようです。

この選手、一体何が特徴なのか…。

実は…

これと言って無いですーー;)

打撃は平均以下だし守備がまずまずといったところ。

なので万年補欠です。

ところがこの補欠というポジションで彼はチームに貢献してきました。

打撃は平凡以下といいながら本当に大事な「ここぞ」という場面で彼は何度か打っているのです。

こんなことを言って具体的な場面を覚えていないのは恥ずかしい限りですが彼は幾度となくチームの危機を救ってきたのを私は見てきました。

そしてそれは守備でもそうでした。

当時ジャイアンツにはベンジーモリーナという守備がイマイチ、足はメジャー最悪、しかし打撃は4番を任せられるというキャッチャーがいました。
最初は彼の補欠でした。
ところがジャイアンツのトッププロスペクトだったバスター・ポージーが一気に力をつけ2010年のシーズン途中でベンジーをレンジャーズに追いやってしまいます。
ベテランのレギュラーキャッチャーをシーズン途中で放出して新人のキャッチャーをレギュラーに使うのは非常にリスクが大きいです。
しかしジャイアンツは敢えて実行に移しました。
それはポージーの実力を確信したのと同時にもしポージーがだめでもホワイトサイドがいたからだったと思います。

そしてポージーがレギュラーに定着後ポージーは安定した成績を残しチームに勢いがでます。
ホワイトサイドも2番手捕手として活躍しついにはワールドシリーズで優勝しました。
この年の出場試合数は49試合。

2011年、ポージーが大怪我をしてシーズン162試合中約半分の82試合にマスクを被りました。

そして今年、ポージーの復活とへクター・サンチェスという若手が力を付け3番手捕手となり出場は12試合に激減。

しかし私はこのホワイトサイドの存在が非常に大きかったと思います。

彼の活躍は今年のA'sにあてはまる感じでした。

つまりは名前も売れていない半メジャー選手だけれどもチームの歯車として機能した時実力以上の「力」を発揮する選手だということです。

この「力」にはいろんな意味が含まれますがホワイトサイドの場合は堅実な守備、意外性の打撃、キャッチャーとしてのバックアップでいつでも安定した力を発揮→若手が心おきなくプレーし成長できた、これらが全て詰まってました。

強いチームには控えにもそれ相応の選手がいるものです。

ホワイトサイドの存在はポージーを育て今年はへクター・サンチェスという若手も育ちました。

そう、ジャイアンツでホワイトサイドはこの4年間で2人のレギュラーキャッチャーを支え育て2度のワールドチャンピオンも獲得したのです。

彼がジャイアンツ黄金期の影の立役者だと思ってます。

私は対岸のオークランドで彼の活躍を存在を気にしながら、

良いキャッチャーだな…2番手としてA'sにほしいな…)

常々そう思っていました。

ところがそのホワイトサイドが先日トレードに出されました。

えっ!何で!?

恐らくジャイアンツはサンチェスがレギュラーで使えると判断したのでしょう。

もちろんポージーもいますから。

しかしちょっと待てよジャイアンツさん。

ポージーがファーストを守るというか正式にファーストのレギュラーになる可能性もあるわけだ。
だとしたらサンチェスがキャッチャーのレギュラーになるが2番手捕手が必要じゃねえのか?ホワイトサイドは必要だろうが…しかもトレード先がヤンキースだなんてーー;)

ヤンキースかよ…

また嫌なところへ移籍したなーー;)

ヤンキースはレギュラー捕手のマーチンがFAとなりましたからその補強でホワイトサイドを獲得したのでしょう。

しかし個人的にはこの移籍はジャイアンツにとって非常にマイナスではないかと思います。

ポージーはあの大怪我の影響もありますが元々ファーストへのコンバートの話もあり今も何試合かファーストでプレーしています。
ファーストのレギュラーは前回の優勝した時はハフで今はベルト、サンドバルも守ります。
そして相手投手が左の場合左打者のベルトより右打者のポージーがファーストに入ってるようです。

今のジャイアンツなら高年俸、年齢の問題と精神的病気を抱えてるハフを残すよりホワイトサイドを残しておいた方がいいような気もするが…)

まあこのままではホワイトサイドは来年も3Aだしこのトレードは本人の要望やヤンキースの誘いもあったのかもしれない

が…

来年ジャイアンツが低迷してヤンキースが優勝したなら…それはイーライ・ホワイトサイドの影響かもしれない

と今から真剣に思っています。