A'sの移転について その2 サンフランシスコ・ジャイアンツが理想すぎる
ここからの話は何の根拠もソースもありません。
私がこの5年間現地ベイエリアで生活して感じた結論です、勝手な推測で書きます。
A'sがサンノゼに移転するのかどうか?
A'sファンとしてはもちろん反対なのですが…
サンノゼ移転はない
と見ています。
いや正確に言えば「消えてしまった」というべきか。
理由は
2010、2012年とジャイアンツが「理想すぎるチーム」でワールドチャンピオンに輝いてしまったから
です。
ワールドチャンピオンになったことがなぜA'sの移転に影響するのか?理想すぎるチームとはどういうことか?…そして理想とは誰に理想なのか?
まず誰に理想なのか?
それは
「ジャイアンツファン」
にです。
では理想すぎるチームとは何か?
それは
「おらが町のチーム」が強くなって優勝すること。
この「おらが町のチーム」にもいろんな形があります。
メジャー30球団が存在する都市のファンは全てそのチームを「おらが町のチーム」で応援します。
しかし今ほとんど全てのチームが「ビジネス」という理由でお金を出して選手を買いあさったりトレードですぐに他のチームに放出するという現象が起きてます。
選手はまさに「ビジネスの道具、商品」なのです。
なのでお金のある球団の選手というのはほとんどが他球団で活躍してお金で引き抜かれてきた選手達で使えなくなった選手は貧乏球団に押し出されていく…資本主義、競争社会の原理ですがそれが今のメジャーでは理想と現実がごっちゃになっています。
しかし私は多くのファンはその現象に憂いているしどこか飽きてるのではないかと思うのです、特に中、小規模なマーケットの都市のチームを応援してるファンは。
メジャーリーグの理念の一つにフランチャイズを大事にするという考えがあります。
だからチーム名にも日本のプロ野球みたいに企業の名前は入れずチームがある都市や地域の名前が入ります。
なのにそれとは矛盾するかのようにせっかくの地元出身の選手やドラフトで獲得した新人選手をいとも簡単に他球団に渡してしまう…
メジャーリーグはマイナーチームの応援も非常に熱いです。
地元出身の選手やドラフトで入ってきたかわいい新人達を自分達の息子や家族同然に思うファンが全米では無名の彼らを一生懸命応援します。
同じ「おらが町のチーム」でも「金でつくられたチーム」=つまらないチーム、「生え抜きでつくられたチーム」=理想のチーム。
多くのメジャーファンはそう思っているし「おらが町のチーム」と自慢するには「生え抜きで作られた家族同然のチーム」、そのチームで優勝するのが最高の形なのではないでしょうか。
しかし一部のファンはそうは考えないかもしれません。
「強いチームならどんなに金を払ってでも作ればいい。勝てれば何でもいい」
まあそんな考えを持つファンってのは大体限られていますがね。
しかし繰り返しになりますが現在ほとんど全ての球団は生え抜きでつくられていません。
そんな中で生え抜きの選手が中心で優勝を勝ち取ってきたチームがありました。
それは…
90、00年代のニューヨーク・ヤンキース
です。
これは意外かもしれません。
毎年湯水のようにお金を使い他球団の主力を引き抜き「悪の帝国」と呼ばれるヤンキースですが中心選手であるジーター、カノー、ペティート、リベラ、引退したポサーダ達はみなヤンキースの生え抜きの選手です。
伝統ある球団以上に多くのファンを魅了したのがどんなに外様の選手をお金で獲ってこようと中心である選手達はみな生え抜きだったのです。
これはヤンキースというチームだけど評価はできるんだよな…)
先ほど勝てばどんなことをしてもいいファンがいると言ったのは実はヤンキースなど大きな都市のチームのファンのことなのですがこの時の中心選手はみな生え抜きの選手達です。
ところが!
このヤンキースにも匹敵、いやそれ以上のチームが現れたのです。
それが今の
サンフランシスコ・ジャイアンツなのです!
2010年に西海岸に移転して以来初のワールドチャンピオンに輝いたジャイアンツの中心選手には先発投手でリンスカム、ケイン、サンチェス、バンガーナー、ジト、リリーフでアッフェルト、ロペス、ロモ、ウィルソンといったメンバーですがこのうちリンスカム、ケイン、バンガーナー、ロモ、ウィルソンはドラフトでジャイアンツに入団してきた生え抜きの投手です。
一方打者ではポージー、サンドバル、シーアホルツといったメンバーが生え抜きで彼らも活躍しました。
さらに今年2012年にこのメンバー達に加えて、特に打撃陣にクロフォード、ベルト、へクター・サンチェスそして日本プロ野球で活躍したボーグルソンも実はドラフトで入団した球団はジャイアンツだったのです。
要するに
「西海岸に1958年に移転してきて勝てなかったジャイアンツが移転後初優勝した2010年、そして2度目の優勝となった2012年の中心メンバーはほとんどがジャイアンツのマイナー時代からファンに応援、愛されてきたメンバーで勝ち取った本物のおらがチームなのです!」
これは今のメジャーリーグ全体の傾向としてはあり得ないぐらいの「理想」なのです。