帰ってきたV戦士アンドレ・トーレス

おとといジョシュ・ハミルトンがエンジェルスと契約し今日イチロー選手がヤンキースと再契約しました。

外野手を補強したいチームにとって両選手の動向は非常に大事だったのですが残念ながら彼らを狙っていたと思われるチーム、例えばハミルトンは今年まで所属していたレンジャーズそしてマリナーズが、イチロー選手にはワールドシリーズで優勝したジャイアンツとフィリーズが敗れた結果となりました。
これで未契約で残っている外野手はマイケル・ボーンぐらいかな?あとコディー・ロスはどこかと契約したか?ぐらいでレギュラークラスの選手はいなくなった感じです。

ハミルトンにイチロー
どちらもチームの要としては必要な選手だっただけに逃したチームは新たな外野手を探さなければいけなくなりました…

…と、

思っていたのですがそんな心配も何のその、王者ジャイアンツがチームに的確な外野手を補強しました。

それは

2010年V戦士メンバーのアンドレトーレスです。

トーレスは昨年オフに元広島カープのラモン・ラミレスとセットでメッツにトレードされました。
その時のトレードの相手は今シーズンジャイアンツのトップバッターで活躍したパガンです。
パガンはトーレスと同じタイプの選手なのですが2010年にトーレスの活躍に勝るとも劣らない活躍をしジャイアンツの優勝に貢献しました。

さてトーレスですが1998年にタイガースに入団。
その後マイナー生活が長くまたメジャーに上がっても控えという立場でした。

そのトーレスジャイアンツに来たのは2009年。
当時ジャイアンツのセンターは2005年ホワイトソックスの優勝メンバーで井口選手のチームメイトだった好打者アーロン・ローワンドでした。
しかしホワイトソックスの後フィリーズに移籍してその後ジャイアンツに来た時すでにローワンドは実力的には下り坂で怪我の多い選手でした。
そこで出てきたのがトーレスでした。

2010年トーレスはセンターのレギュラーとしてプレーし139試合に出場、136本のヒットを放ち打率.268、本塁打16本、打点63、盗塁26を記録します。
2塁打は43本、3塁打も8本記録し出塁率も343を記録するなどトップバッター(しかもスイッチヒッター)として合格といえる成績を残しました。
また彼の特徴は守備が非常によくセンターの左右前後に飛んでくる難しい打球をことごとく処理していたのを覚えています。

とにかく打席ではいやらしいトップバッター、守備では再三の好守でまさにチームのムードメーカー、切り込み隊長のような感じでした。

2011年は成績が落ちたことと年齢のこともありトレードに出されてしまったのですがメッツとしても中継ぎとセンターの即戦力が獲れるということでパガン放出に踏み切ったのですからやはりトーレスをそれなりに評価していたんだと思います。

そのトーレスが再びサンフランシスコに帰ってきます。

おそらくジャイアンツファンは歓喜してるでしょう。

確かにハミルトンもイチロー選手も魅力ではあります。
しかしビッグネームが集まればチームが勝てるわけではありません。
トーレスにはハミルトンほどの打力も無ければイチロー選手ほどの打率も残せません。
しかし彼が会得したあの2010年の「ジャイアンツスタイル」があります。
それはハミルトンやイチロー選手にはない能力です。

すでに彼はジャイアンツに溶け込んでいる!

彼もイーライ・ホワイトサイドと一緒で脇役でこそ力を発揮できる選手なのです。

ジャイアンツの外野は今のところパガン、ペンス、ブランコがレギュラーのようですがこのトーレスも十分に食い込んでいけます。
また打線の中軸をサンドバル、ポージー、ベルトで任せて機動力や小技の効く選手で前後を固められます。
スクータロとも再契約しクロフォードやペンスもいます。

ジャイアンツはディフェンシブなチーム(投手力のチーム)ですがトーレスの加入で機動力、守備力そしてスモールベースボールによる攻撃力が一段と厚さを増しました。

間違いなく来年も優勝候補だ。

イーライの移籍で崩れかけそうなジャイアンツがトーレス復帰で持ち直した気がします。

トーレスジャイアンツ連覇に必要な大事な1ピースなのです!

トーレスの契約は1年契約200万ドル、1億6千万円ぐらい。

ハミルトンは5年総額105億円、イチロー選手は2年総額11億円。

ひょっとしたら彼らのお金以上の価値を、ジャイアンツがトーレスを格安で獲得したのは来年ワールドチャンピオン連覇付きで還ってくるかもしれません。

果たして今回の外野手争奪戦はどこが勝利したのか?

来年の結果に注目です。