ココを選んだA's、ハミルトンを切ったレンジャーズ…その行方は?
1週間ほど前、いつの間にか首位にいたA'sがいつの間にか6ゲーム(7ゲームだったか?)も2位レンジャーズに差をつけている現象がありました。
しかしレンジャーズがエンジェルス戦で3試合連続サヨナラホームランで勝ち始めその間にA'sが連敗、そして今日終わったA'sとのシリーズを2勝1敗としたことでゲーム差が2.5ゲームに縮まりました。
何つー激しい上下動だーー;)
ちょっとゲーム差が開いて喜んでいたのもつかの間すぐに2.5差。
やはりこの地区もまだまだわからない…)
さて久々で日本でA's対レンジャーズの試合をテレビで観ていてどうしても気になることがありました。
それは両チームのセンター。
A'sは去年同様ココ・クリスプ、一方レンジャーズはハミルトンがエンジェルスに移籍し今年は主にジェントリーが守っているようです。
ココは身体能力が素晴らしく超俊足で守備では球際のプレーに強く何度もホームランボールや後ろに抜けそうな打球をファインプレーで救ってくれてます。
しかし肩が致命的に弱いというこれA's最大の「アキレス腱」ともいえる弱点を抱えています。
今回のシリーズの1試合目。
レンジャーズはランナーが塁上に居た時、センターへ飛んだ打球でことごとく次の塁をおとし入れ得点をしていきました。
通常では考えられない打球でのタッチアップをココの肩が弱いことを突いていいように走りまくったのです。
しかしこれは去年からレンジャーズやエンジェルスの常套手段でしてセンターという守備範囲の広さとココの肩を計算にいれ走者のほとんどが次の塁を狙うという徹底した作戦なのです。
以前ここでもご紹介した通りココの肩は日本の高校球児なみ、いやちょっと肩のいい高校球児よりも遠投力が弱いことは明らかです。
本当は3塁までの距離が短いレフトを守らせたいのですがそれでもメジャーの外野手としてはとても通用しない肩です。
去年の開幕直後A'sは一時期ココをレフトで起用しました。
しかしセンターを守っていたセスペデスが捕球面で安定感を欠きまたココもレフトでのプレーに不満を募らせたこともありまたセンターへ戻りました。
それ以来ココはセンターをずっと守っておりその間肩の弱さをつかれて何度も余計な進塁を許す場面を我々は目撃してきました。
が、それでもA'sがココをセンターで起用する理由はやはりあの走力と守備範囲はメジャーの中でも一級品だからです。
彼の肩の弱さを差し引いてもあの守備範囲を守れるのはやはりココしかいないのです。
正直これは賭けに等しいです。
ファンの中でも賛否が別れていることでしょう。
私もできればメジャー2年目で慣れてきたセスペデスにセンターを任せてみたい。
セスペデスの肩はココと対照的でメジャーで一級品ですし走力もあります…問題は捕球時の安定感だけ。
この先大事な試合で今回のように普通のセンターフライで1塁から2塁へタッチアップされてばかりいたらたまったもんじゃありません。
そう考えるとそろそろセスペデスでもという個人的な思いはあります。
しかし今のところA'sはココを選んでいます。
それは打撃でもチームを引っ張ってくれている大きな存在でもあるからです。
ココのプレーは一か八か的要素が多くうまくいけば超ファインプレーですが失敗すれば「大やけど」となります。
しかしそれでもA'sはココがチームに勝ちをもたらす選手と判断して残留させました。
一方レンジャーズは昨年オフ、一応再契約の意思を少しは見せたようですが最終的にFAとなったハミルトンとは契約しませんでした。
あの後半戦での打撃不振とシーズン最終戦(もっというとその前の大事なA'sとのシリーズでも守備で凡ミスを連発しレンジャーズは負けた)のイメージが残ってしまいファンからすっかり嫌われてしまったハミルトン。
しかしハミルトンの存在はレンジャーズにいた5年間、非常に大きいものでした。
打撃ではレンジャーズ在籍のみで打率305、本塁打142、打点506を記録してます。
オールスターも2回出場し打点王も首位打者もア・リーグのMVPも受賞してます。
そして守備でも平均並みの守備をしていたのではないでしょうか。
同地区ライバル関係にあるA'sとレンジャーズ。
そのセンターを守っていたココをA'sはリスク覚悟でチームに残しました。
一方レンジャーズはこれだけチームに貢献してきたハミルトンとの契約を見送り打撃ではハミルトンに及ばないものの守備と機動力で勝るジェントリーを選びました。
しかし後半戦大事な最初の直接対決でレンジャーズはA'sに勝ち越しその要因は第1戦目のココの守備の弱点を突いたところにあると考えます。
これはゲーム差を縮めたという以上にこの先の試合を大きく左右する出来事ではないかと考えています。
去年は最終戦でハミルトンのエラーで優勝が転がり込んできたA's。
まさか今年はココの肩で優勝を逃しやしないだろうか…)
ちょっとした不安が頭をよぎったTV観戦でした…。