クアーズ・フィールド その2

クアーズ・フィールド、9月、雨…といって思い出されるのは1996年ドジャーズの野茂投手がこの球場でノーヒット・ノーランを達成したことです。

クアーズ・フィールドは標高1マイル(1600m)の高地にあり気圧が平地より低いため打球が飛ぶことで有名で「打者天国」とも呼ばれています。

野茂投手がメジャーリーグに登場した時ロッキーズは「ブレイク・ストリート・ボンバーズ」という強打者が揃ったチームでした。
打線の中軸にはラリー・ウォーカーアンドレ・ガララーガ、ダンテ・ビシェット、ビニー・カスティーヤとどのチームにいっても4番を打てる選手ばかりでナショナル・リーグの打撃タイトルをこの4人で争うほど凄まじい打線でした。

そしてこの4人以外にも前を打つ1,2番コンビ、エリス・バークス、そしてエリック・ヤングという俊足・好打の選手がいました。

ノーヒット・ノーランを野茂投手が達成した日コロラドは雨が降っていて試合開始時間が何時間も遅れました。

雨で濡かるんだグランドをみて野茂投手は「ワインドアップ」ではなく「セットアップ」という投げ方に変更して試合に臨みました。

一般的に投手はランナーがいない時は「ワインドアップ」という腕を頭の上まで振り上げ勢いよく投げることにより速い球をさらに速く投げようとします。
しかしその分体勢が崩れやすいという欠点があります。

一方ランナーがいるときは「セットアップ」といって振りかぶらず早く短い投球動作でキャッチャーに投げランナーに盗塁をさせないようにします。
また投げる動作が小さい分体勢が崩れにくくコントロールが安定すると言われています。

この日野茂投手はランナーがいなくても「始めからセットポジションで投げる」という選択をしました。

ただでさえグランドが濡れていて投げる時、投げ終わった時の体勢が崩れないためにです。

コントロール重視で挑んだ野茂投手はノーヒット・ノーランを達成します。

ノーヒット・ノーラン自体凄いことなのですがさらに野茂投手が評価をあげたのは相手が打者天国クアーズ・フィールドでの最強ロッキーズ打線だったこと、雨で試合が遅れたにも関わらず集中力を維持し冷静に自分の気持ちをコントロールしてスピード重視ではなくコントロール重視、つまりはチームの勝利のために自分のスタイルを変えプレーしたことでした。

どんなに凄いピッチャーでもクアーズ・フィールドノーヒット・ノーランをできるピッチャーは出てこないだろうと言われていました。

それほどこのクアーズ・フィールドは打者天国でロッキーズ打線は凄かったわけです。

しかしロッキーズもやられてばかりではありませんでした。

特にエリック・ヤングは野茂投手の「トルネード投法」を研究しその投球フォームの大きさから盗塁を何度も成功させついには1試合で6個の盗塁を野茂投手から決めます。
(ちなみに1試合1個の盗塁でもグッド・ジョブだと思って下さい)

「俺たちはやられっぱなしじゃねえぞ。今度はやられた分以上にやり返してやる」

彼の盗塁は気迫に満ち溢れていました。

さてそのエリック・ヤングにサインを求めます。

すると私を指差して今行くから待ってろという感じでしばらく同僚のコーチと話をしています。

その後私の所に来てサインをしてくれました。

現役時代に比べかなりふっくらな体型になってしまいましたがその眼は物凄く迫力を感じました。

ヤングコーチありがとうございました。
私の知るメジャーリーグのチームであの時のロッキーズほど凄かった打線はありませんでした。
そしてあなたも最高のリード・オフマンでした。
ただ未だになぜ優勝できなかったのか…不思議です(^^;)

さてこのクアーズ・フィールド外観も球場の中も実はサンフランシスコのAT&Tパークにそっくり(^^;)

ただしいくつか特徴がありセンターにコロラドの自然をイメージした「小規模自然パーク」とでも言いましょうかがありその上にスタンドも設置されています。

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そのままライトへ目を移すと3階席まである大きなライトスタンドが。

しかしここは中・上部分が閉鎖されていて中に入れてもらえませんでした。

内野席は大きく3階に別れていて3階部分はさらに上下にセクションがありました。
席の間隔が広いため一番前の席にもジュースホルダーが設置されており便利です。

そして標高1マイル(1600m)を示す高さにあるシート(30列目)が全て内野から外野までチームカラーの紫に彩られていました。

さて球場内を歩き周っているといろんな食べ物やさんがあります。

イタリアンのコーナーには4,5種類のピザやパスタの店が。

ホットドッグやビールも何種類も揃っていてここまで充実した売店を備えた球場はあまり無い気がします。

いろんなものに手を出してみたいのですがさすがに無理(^^;)

しかし食べることには関しては楽しめる球場です。

そしてありました、ホーム・チーム主力選手によるコラボ企画の商品。

ロッキーズはトッド・ヘルトンの店。

メニューはチーズ・バーガー、ジャンボ・オニオンリングかポテト・フライ、そしてバニラ・シェイク。

これで晩飯は決定(^^;)

ハンバーガーはチーズとピクルスがのっていてソースはサワークリームのような感じ。

けど普通においしい(笑)

できればトマトとレタスもしくはたまねぎの炒めたものがほしかった。

オニオンリングは大きいのですが中身がちょっとふにゃふにゃ。

日本で食べるのとはまた違った感じ。

もう少し中身をかりかりにしてほしかったな…

バニラシェイクはおいしかったです、後味はしょっぱくないし(^^;)

というわけでこの商品お薦めですよ。

さてこの日も元A's戦士達を見る事が出来ました。

D・バックスのジグラーも出てきましたしロッキーズはマーク・エリス、

ゴンザレス、ジオンビーが先発スタメン、後にクーズマノフも代打で出場。


それぞれがきちんと仕事をこなしていました。

試合はD・バックスペースだったのに8回裏2アウトからロッキーズの打線が爆発。

トロイツキーの逆転ホームランが飛び出しその後もダメ押し点を追加しロッキーズが勝ちました。

コロラドファンは数が少なかったのですがみなさん最後まで熱心に観ていました。

というか見せ場は最後だったんだけど(^^;)

と言うわけでこのコロラドクアーズ・フィールドですが私の中ではかなり好印象です。

街中にあってその街もいろんなものがあります、ホテルも近かったし。

マイナスポイントはレフトスタンド最前列がすでにチケットホルダーに押さえられてしまいボールがその上を越えてこないともらえない。
それから寒くて雨が降っていたにもかかわらず小さな虫が結構いました。
グラウンドにいた選手もたまに顔をはたいていました。

私のランク付けでどの位置にクアーズ・フィールドがくるのかはわかりませんが楽しみです。